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発荷主

日清食品株式会社

DATA企業データ

代表取締役社長
安藤 徳隆
従業員数
2,885人
設立
1948年9月(現:日清食品ホールディングス)、事業会社 日清食品は2008年10月設立
資本金
50億円

事業概要

1958年に世界初の即席麺「チキンラーメン」、1971年に世界初のカップ麺「カップヌードル」を世に送り出すなど、新たな食の創造を通じて世界の食文化を革新する即席麺のパイオニア企業。現在は、栄養とおいしさの完全なバランスを追求した「完全メシ」をはじめとする新規事業にも注力し、マーケティングとイノベーションを駆使して多様な食のソリューションを提供している。

日清食品株式会社

取組の背景

物流の重要性の社内理解が課題

日清食品は、「物流」が経営上の大きな課題であると認識されるとすぐに、2019年7月に組織改編が行われ、事業会社である日清食品にサプライチェーン企画部を抱える『事業構造改革推進部』が、また日清食品ホールディングスに『物流改革プロジェクト』が立ち上がり、営業、マーケティング、物流などさまざまな部門からメンバーが参加した。そしてこれらの組織改編などにより、物流の重要性に対する社内の理解を醸成し、全社的な課題として一丸となって取り組みはじめた。

取組のポイント

  • 取 組1
    [ 物流パートナーとの信頼関係構築 ]

    2021年から半期に一度、物流パートナーとの1対1での意見交換の場を設け、本音ベースの課題を吸い上げて物流効率化に向けた具体的な改善策につなげている。また、物流パートナーの負荷を軽減するため、燃料価格の変動への対応として燃料サーチャージを先行導入するなど、適切な運送契約を締結している。

  • 取 組2
    [ パレット化の推進 ]

    軽量物でありながら、工場から営業倉庫への幹線輸送に、12型パレットを採用することで、積載率を可能な限り維持しつつ、物量ベースでほぼ100%のパレット化を実現。得意先や物流パートナーとの連携を主導し、現場が求めるパレット化を主体的に推進している。

  • 取 組3
    [ 物流現場の作業効率化 ]

    乗務員の待機・積込時間の削減や手直し・確認作業を軽減するため、製品パレタイズのストレッチフィルムを全巻き対応とすることのほか、文字認識ハンディターミナルの導入、納品伝票の標準化、作業者がフォークリフトに乗った状態で製品のロット等印字情報を確認できるよう、印字面とパレット積み付け変更対応など、現場の声を基に細かな業務改善を積み重ねて効率化を実現した。

TOPIC

パートナーシップと社内変革による持続可能なサプライチェーン構築

日清食品が特に力を入れているのは、物流パートナーとの密なコミュニケーションと信頼関係の構築である。2021年から半期に一度、パートナー企業と課長クラスまでの実務者により1対1の意見交換の場を設けている。この場では、「工場出荷時に乗務員によるストレッチフィルムの巻き足しが面倒」、「印字面が1方向のため位置によってパレットの印字面が見えにくい」といった現場レベルの具体的な課題が本音ベースで共有され、実際に改善へと繋がっている。

また、社内での物流の位置付けの変化も重要な取組の一つである。物流構造改革プロジェクトを経て、「物流は重要である」という認識が社内に浸透し、物流現場の改善に向けて、生産部門のパレタイズ変更協力や営業部門の得意先様納品時の付帯作業廃止交渉等、必要な改善に部門を超えた協力が得られるようになった。運賃の改善についても積極的に取り組んでおり、定量的な根拠に基づいた価格改定に加え、2023年下期からは業界に先駆けて燃料サーチャージを導入。当時から、現在の国の基準よりも高い水準を自主的に設けており、物流事業者から高い評価を得ている。

さらに、物流パートナーと持続可能な関係を維持していくため、物流事業者の経営支援にも着手した。全国的に企業倒産が増加する中で、取引のある物流パートナーが経営状況の悪化を見過ごさないために、財務面、レジリエンス、現場環境など多角的に分析し、課題を洗い出して共に改善する活動を開始している。このような信頼関係の構築が、「選ばれる荷主」となるための基盤にもなっている。

ストレッチフィルムの全巻き対応で、積込時間の削減や手直し作業を軽減

ストレッチフィルムの全巻き対応で、積込時間の削減や手直し作業を軽減

複数印字面積み付け対応により、印字の見やすさが向上し、現場の確認時間を削減

複数印字面積み付け対応により、印字の見やすさが向上し、現場の確認時間を削減

成果と課題

「受け身でなく主体的に、ピンチをチャンスに変える」
先進的なアプローチが奏功

これらの取組は、単なる効率化や法規制への対応にとどまらない。「受け身でなく主体的に、ピンチをチャンスに変える」という先進的なアプローチと、経営層直下の組織体制を基盤に、社内外の理解と協力を得ながら進められている。幹線輸送でのパレット化や物流効率化に向けた様々な業務改善を行った結果、乗務員の荷役時間が年間で約30万時間削減などの成果を上げた。飲料をはじめとした異業界製品重軽差を利用した共同輸配送やお米輸送車両とのラウンド輸送も推進し、輸送効率向上による車両台数削減の効果を得た。
今後は、CO2削減のためのモーダルシフトの推進や、川下側(卸売業者や小売業者)とのデータ連携強化などの課題に対して、世の中に変化を与えるきっかけとなる取組を進めていくこととしている。

VOICE

取組担当者の声

持続可能なパートナーシップを

ロジスティック部企画管理課長内田 幸雄さん

物流パートナーとの対話を通じて現場の課題を解決し、信頼を構築することが非常に重要です。これからは、荷主が物流事業者を選ぶのではなく、「選ばれる荷主」となっていかなければならないと考えています。持続可能なパートナーシップのために、物流現場の事を考え、物流パートナーから真摯に話を聞き、共に考えていく姿勢を続けていきたいと思います。

竹下徹さん

コミュニケーション戦略担当者

社会課題の解決で新たな価値を創造

コミュニケーション戦略室長柴田 和浩さん

社会課題の解決をチャンスと捉え、社内外の関係者と連携して新しい価値を創造し、日清食品が社会貢献のハブとなることを常に目指しています。物流の効率化についても、法律が変わったから対応するのではなく、「受け身でなく主体的に」という姿勢で、先手で積極的に課題解決に取り組んだ結果であると考えています。

平岡正臣さん

(2026年3月作成)

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