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発荷主

日本甜菜製糖株式会社

DATA企業データ

代表取締役社長
石栗 秀
従業員数
775名(2025年3月末現在)
設立
1919年6月
資本金
8,279,414,800円

事業概要

北海道産の甜菜(てん菜=砂糖大根)から製造した甜菜糖、粗糖を原料とした精製糖の製造・販売。砂糖のほかに、副産物である甜菜糖蜜を活用し、パン酵母やオリゴ糖などの機能性食品素材も製造販売している。

日本甜菜製糖株式会社

取組の背景

短期集中型の輸送からの脱却が急務

農産物である原料甜菜は収穫時期が限られており、工場への受入は10月中旬から12月下旬までの短期間に集中し、この期間の原料輸送は連日多くの車両台数を必要とする実態があった。ドライバー不足に起因する車両確保の問題に加え、時間外労働の上限規制の施行を受け、運転手・管理者らの休日取得を含む労働環境の改善が喫緊の課題となったが、従来の輸送方法では、1日当たりの必要輸送量の確保が困難になることが見込まれたため、輸送量の維持に向け、効率的な輸送計画の策定や輸送態勢の確保が必須となった。

取組のポイント

  • 取 組1
    [ 原料甜菜の受入期間を延長 ]

    車両不足に対応する為に輸送量の平準化を図り、原料甜菜の受入開始を生産者の理解を得て10月上旬に早めると共に年末まで延長することで、ピーク時の稼働台数の削減と稼働台数の平準化を目指し、恒常的な車両不足に対応することとした。

  • 取 組2
    [ 大型輸送車の導入拡大などによる輸送効率化 ]

    大型車両の導入拡大を図ることにより、総稼働台数の削減に繋げ、荷卸し時の待機時間の削減と輸送効率向上を図ることとした。また、令和3年には大型車両対応の自走式ビートパイラー(甜菜除土堆積機)を導入し、荷下ろし装置のない大型車両の運用拡大を可能とした。

  • 取 組3
    [ 輸送休止日の設定 ]

    運転手を含む原料輸送関係者の労働時間削減を目指し、全期間において地域ごとの輸送休止日を設けた。以前は各運送事業社それぞれのルールに基づき運転手・管理者は休日を取得していたが、予め計画された輸送休止日を設けることで運転手・管理者の休日取得を容易にした。

TOPIC

生産者の協力による受入期間の延長

当社が最も注力した取組は、原料甜菜の受入期間の延長だった。上限規制の施行により、将来的な輸送力不足が見込まれたことから、従来の短期集中型の輸送から脱却して、輸送量の平準化を図るための「背に腹は変えられない」措置だったという。

受入期間の延長は、単に関係者と日程を調整するだけでなく、特に甜菜生産者の利害が絡む「相手方がある交渉」であり、これが最も大変な課題だった。具体的には、例年10月中旬から12月下旬までとしていた期間を、開始時期を10月上旬に早め、終了時期も可能な限り年末までとした。生産者代表組織に取り巻く環境の説明を行い、協議を繰り返し重ねて理解を得た上で、受入期間を決定している。

また、受入期間の延長は工場側にも新しい課題をもたらしている。まず、早期に収穫・貯蔵された原料は、期間が延びることで「原料の劣化」といった品質面のリスクが生じる。工場の原料受入設備能力に比べて少ない車両台数を受入せざるを得ないことによる「設備側の稼働率低下に伴うコスト上昇」も大きな課題となっている。

生産者の協力による受入期間の延長

農産物の甜菜は収穫・輸送時期が短期間に集中し、ドライバーの労働負荷が大きな課題。そこで生産者の協力のもと受入期間を延長し、輸送量を平準化 。大型車両の導入も進め、ピーク時の車両台数削減と労働環境の改善を同時に実現している。

成果と課題

輸送の平準化・効率化とともに、
ドライバーの労働環境の改善を実現

生産者や運送事業者の協力によりこれらの取組を進めた結果、1日当たりの輸送車両は300台超から約240台に削減されたほか、大型車両の割合も令和4年の41%から令和7年は48%に増加するなど、輸送の平準化・効率化が図られた。さらに、4週6休の輸送休止日を導入することで、ドライバーをはじめとした輸送業務従事者の労働時間削減も実現した。
一方、少ない車両台数での設備稼働はコスト増を招くとともに、現時点ではドライバー不足の改善が見込まれない状況の中、これまでのアイディアだけでは乗り越えられない、次の課題が顕在化している。

VOICE

取組責任者の声

「次のステップのアイディア」が必要

日本甜菜製糖株式会社 上席執行役員 芽室製糖所長菊池 文夫さん

運送車両の確保が難しい中、受入期間延長という単純なやり方ですが、関係各位の理解と協力を得ることで何とかこの過渡期を乗り越えることができました。安全第一、品質第二、生産第三の原則は堅持しますが、輸送トラックは今後減り続けると考えており、『このままでは駄目だ』と次のステップのアイディアを考えていく必要があります。

菊池 文夫さん

輸送責任者の声

今後も荷主との協力を徹底しつつ、次の戦略を

十勝鉄道株式会社 代表取締役今木 浩さん

「安全最優先」の理念の下、荷主である日本甜菜製糖㈱と緊密な協議を重ねながら対応したことが成果に繋がりました。2024年問題を見据え、改善基準告示を遵守するためには、どのように運行ダイヤや原料受入期間を定めるべきか、徹底的に議論して双方で準備を進めた結果、輸送の平準化と車両台数の削減を実現し、より安全を確保しやすい環境を整えることできたと考えています。今後もドライバー不足の状況が見込まれ、見通しは厳しいですが、次の戦略を視野に入れ、引き続き法令遵守とそのための更なる効率化に取り組んでいきます。

今木 浩さん

(2026年3月作成)

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